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俺は嘘はついていない

スーパーライトノベル

先日のライブのリハへ向かう途中、妻のママ友に偶然会った。

 

妻のママ友。

顔は知っているけど、お互いの素性はよく知らない。

妻経由でしか聞いたことが無い。

という微妙な間柄だ。

 

「こんにちわ〜。」

とりあえずお互い挨拶してみる。

 

すると彼女は俺の背負っている物を見て目を丸くした。

まるで遺跡を発見したかのように。俺は答えた。

 

「あ、これギターです。」

「え!?ギターやってるんですか?」

 

そこまで妻から話は聞いていなかったらしい。

確かに俺はギターをやってそうな見た目ではない。

 

「はい、これからライブなんで。」

「ええ!?ライブ!?すごーい!!」

 

彼女のテンションが明らかに上がった。

まさか俺の口から”ライブ”という単語が出るとは思わなかったのだろう。

 

「バンドやってるんですか?」

「いや、独りで弾き語りですわ。」

「ええぇ!!?歌も!!?すごーーい!!!

 

 また一段と温度が上がった。

ギターとボーカル。遺跡と新技術を同時に発見したようなものか。

 

「どんな曲やっているんですか?」

「あぁ、オリジナルですよ。」

「ええええ!!!?曲も作るんですか!!?

すごーーーーい!!!!

 

もはや偶然会った芸能人の如くである。

 

さて、こんなに持て囃されて俺は”嬉しい”というより、別の想いの方が徐々に強くなっていった。

 

(俺は彼女に大きな誤解を与えているのではないだろうか…)

 

ただ、俺は嘘はついていない

 

…続く